紙に絵を描くのと近い感覚で、パソコンを使ったイラストレーションを楽しめるのが液晶ペンタブレット(以下液タブ)。滑らかなタッチの手書き感覚で液晶画面にイラストを描けるのが大きな魅力です。
今回の記事では、液タブについて大特集。その基本情報や選び方、おすすめ商品などをご紹介します。「これからパソコンを使ってイラストを楽しみたい」という方にも参考となること間違いなし。
ぜひこの記事を読んで、より快適で本格的なイラストレーションをスタートしてください!
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液タブの基本情報
液タブは液晶画面に直接イラストを描くことができるペンタブレットです。手元の液晶画面を確認しながら専用のペンを使ってデザインが可能。アナログ感覚で直感的なデジタルデザインを実現してくれます。
- そもそも液タブとは?
- 液タブの価格帯
そもそも液タブとは?
前述のとおり、液タブは液晶ペンタブレットのこと。普通のペンタブレット(板タブとも呼ばれます)と区別されます。液タブとペンタブレット(以下板タブ)との大きな違いは、画面に直接絵を描けるかどうかという点です。
手元の液晶画面に直接絵を描く液タブと異なり、接続先のディスプレイ画面に描いた絵が反映されるのが板タブの特徴。絵を描く場所(専用の板)と描いた絵が反映される場所(ディスプレイ)が異なるという点が液タブとの大きな違いです。
液タブは手書き感覚で思い通りの絵を描けるので、初めてペンタブに触れるという初心者の方にも扱いやすいというメリットがあります。
液タブの価格帯
液タブは、安価なもので20,000円前後から購入が可能。初心者の方におすすめのエントリーモデルの価格としては、20,000円前後~70,000円前後の価格が目安となっています。一方でプロが使用するような本格的なモデルでは300,000円前後する高価なものまで。搭載した機能や性能によって、幅広い価格設定がされています。
液タブの選び方
ここからは、実際に液タブを選ぶときにチェックするべき点をいくつかご紹介。実際に店頭に足を運んで、商品を比較するときの視点として役立ててください。
- 液タブの筆圧レベルをチェック!
- 液タブのAdobe色域カバー率もチェックしよう
- 応答速度を確認!
- 液タブの画面のサイズも確認しよう
液タブの筆圧レベルをチェック!
最初にチェックするべき点は筆圧レベルです。筆圧レベルとは、描画するときに液晶画面に接するペンの筆圧を感知する機能のこと。この筆圧レベルが高いほど、繊細なタッチでの描画が可能となります。濃淡を付けたり、細かい線を描写したり。思い通りのイラストを実現するためにも、筆圧レベルは高いものをセレクトするのが理想です。
筆圧レベルは高い順に8192→4096→2048→1024という風になっています。本格的にイラストに取り組みたいのであれば、最低でも2048以上のものを選びましょう。もちろん、筆圧レベルが高ければ高いに越したことはありません。
液タブのAdobe色域カバー率もチェックしよう
次にチェックするべき点は、Adobe色域カバー率。Adobe色域カバー率はAdobe RGBカバー率とも呼ばれ、Adobeが定義したRGBの領域を再現する範囲のことです。
Adobe色域カバー率が高ければ液晶が描写できる色域が広がり、細かな色の違いを判断しながら高いクオリティの絵を描くことができます。
例えば、「ディスプレイに描いたイラストの色味とプリントアウトしたイラストの色味とに差異が出てしまう」などの不都合を防ぐこともできます。Adobe色域カバー率が高ければ高いほど精度が上がります。
最低でも70%以上のものを。チラシやポスターなど、デザインをプリントアウトして納品する必要がある場合は90%以上のものをセレクトしましょう。
応答速度を確認!
3番目にチェックするべき点は、応答速度です。応答速度とは、線を引いたり色を塗ったりするペン先の動きに合わせて液晶画面のドットが切り替わるスピードのこと。液晶画面上のペン先の動きと実際の描画との間のズレに直結します。ズレが大きくなると、スムーズにイラストを描くことが困難。なるべく応答速度が速い液タブをセレクトしましょう。
単位は「ms(ミリ秒)」を使い、この数値が小さいほど応答速度が速くなります。
イラストを描く場合は、25msより速いものを選ぶとよいでしょう。
液タブの画面のサイズも確認しよう
最後のチェックポイントとして、液タブの液晶画面のサイズが挙げられます。液タブは10インチ台から30インチ台まで幅広い画面サイズがラインナップ。
画面サイズが大きければ作業領域を広く確保でき、細部の書き込みや全体構造の把握がしやすくなって快適です。しかし、必要な作業スペースも広くなり重量も重くなるので、作業する場所が限られます。
仕事などで本格的にイラストに取り組みたいのであれば、19インチ以上の液タブを。趣味などで気軽にイラストに取り組みたいのであれば、13インチ前後のものがおすすめです。
液タブの人気おすすめランキング10
人気でおすすめの液晶タブレットを10選紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
第1位 Wacom Cintiq 22
Wacom Cintiq 22の仕様・製品情報
メーカー | Wacom (ワコム) |
サイズ | 幅x高さx奥行=570x40x359 mm |
重量 | 5600g |
筆圧レベル | 8192 レベル |
搭載機能 | 21.5型液晶,「Wacom Pro Pen 2」テクノロジー搭載,映り込みを軽減するAGフィルム搭載のディスプレイ,傾き検知,色域73%,応答速度25ms |
Wacom Cintiq 22をおすすめする理由
- プロ向け製品に搭載されている「Wacom Pro Pen 2」テクノロジーを採用
- 背面には、16度から82度までの角度に対応したスタンドを搭載/span>
- 独自のEMR(電磁誘導方式)テクノロジーにより、バッテリーや充電が不要
Wacom Cintiq 22の評価とレビュー
最先端テクノロジーを採用しつつエントリー向けの21.5型液タブ
プロ御用達、信頼のメーカーWacom(ワコム)のエントリー向け21.5型液タブです。上位モデル「Wacom Cintiq Pro」シリーズのエッセンスを凝縮。プロ向け製品に搭載されている「Wacom Pro Pen 2」テクノロジーを採用しています。
A3サイズの作品をほぼ原寸大で表示でき、イラストや動画を広い描画スペースに描きたい方にぴったりの製品です。充電不要のバッテリーレスなのも嬉しいですね。
16度から82度までの角度に対応したスタンドを搭載。好みの角度で作業ができるので、体への負担も軽減できます。応答速度は22msと描画には十分な速度。エントリーモデルとして、申し分のない機能性と快適性とを備えた液タブです。
第2位 Wacom Cintiq 16
Wacom Cintiq 16 の仕様・製品情報
メーカー | Wacom(ワコム) |
サイズ | 幅x高さx奥行=422×24.5×285 mm |
重量 | 1900g |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 15.6型液晶,「Wacom Pro Pen 2」テクノロジー搭載,15.6型のフルHD(1920×1080)液晶パネル,傾き検知,色域72%,応答速度25ms |
Wacom Cintiq 16 をおすすめする理由
- プロ向け製品に搭載されている「Wacom Pro Pen 2」テクノロジーを採用
- 1つひとつのストロークや手の動きを高精度に再現
- 独自のEMR(電磁誘導方式)テクノロジーを採用し、バッテリーや充電が不要
Wacom Cintiq 16の評価とレビュー
初心者におすすめの描き心地のよい15.6型エントリーモデル
プロにも定評のあるメーカー「Wacom」の15.6型液晶ペンタブレットのエントリーモデルです。筆圧レベルは8192で傾き検知にも対応しています。プロ機である、「Wacom Cintiq Pro」シリーズの機能を最小限に抑えつつ、描き心地のよいペン性能を実現。
描きやすい角度に調整可能(19°)な内蔵スタンドが搭載されています。また、AGフィルムディスプレイにより、紙に描くような自然な描き心地です。充電不要のバッテリーレス。
初めて液タブを使ってみようという初心者の方や、趣味でイラストを描く方に自信をもっておすすめできるモデルです。
第3位 XP-Pen Artist15.6
XP-Pen Artist15.6 の仕様・製品情報
メーカー | XP-Pen |
サイズ | 幅x高さx奥行=443×12.6×280 mm |
重量 | 不明 |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 15.6型液晶.,6つのカスタマイズ可能なショートカットキー,色域75%,充電不要のスタイラスペン |
XP-Pen Artist15.6 をおすすめする理由
- 8192レベルの筆圧感知で、正確にペン先のタッチをイラストに反映
- フルHD15.6型液晶が、シャープで鮮明な画像を映し出す
- 6個カスタマイズ可能ショートカットキー搭載で作業効率がアップ
XP-Pen Artist15.6 の評価とレビュー
コストパフォーマンス抜群のエントリーモデル
筆圧レベル8192とフルHD液晶を備え、30,000円台というリーズナブルな価格のXP-Penの液タブです。エントリー機としてもおすすめのモデル。15.6型なのでコンパクト。フルHD液晶がシャープで鮮明なイラストを映し出してくれます。充電が不要なので、長時間の創作も安心。
6つのカスタマイズ可能なショートカットキーを備え、Photoshopなどドローイング系ソフトを使用するときに便利です。機能性十分でコストパフォーマンスにも優れた、最初の一台として一押しの機種です。
第4位 GAOMON PD1560
GAOMON PD1560の仕様・製品情報
メーカー | GAOMON |
サイズ | 不明 |
重量 | 599g |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | フルHD15.6型液晶,色域72%,応答速度25 ms,カスタマイズ可能な10個のショートカットキー |
GAOMON PD1560をおすすめする理由
- 15.6型フルHD液晶で、筆圧レベルは最高レベルの8192
- 角度調整が可能なスタンドで作業時の体への負担を軽減
- カスタマイズ可能な10個のショートカットキーと5つのメニューキーで作業効率アップ
GAOMON PD1560の評価とレビュー
機能性の高い、高コストパフォーマンスエントリーモデル
40.000円以下という価格でありながら、フルHD液晶15.6型液晶を備え筆圧レベルも最高レベルの8192。高いコストパフォーマンスを誇るエントリーモデルです。
カスタマイズ可能な10個のショートカットキーと5つのメニューキーを搭載。作業効率をぐっと引き上げてくれます。また、角度調整が可能なスタンドが付属。画面を好みの角度に調整して作業できるので体への負担も軽減できます。
第5位 HUION Kamvas Pro16
HUION Kamvas Pro16の仕様・製品情報
メーカー | HUION |
サイズ | 不明 |
重量 | 1,200g |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 15.6型フルHD液晶,フルラミネーションディスプレイ,アンチグレアガラス搭載、充電不要のタッチペン,傾き検出±60°,色域92%,応答速度266PPS |
HUION Kamvas Pro16をおすすめする理由
- 傾き検出±60°で傾いていても大丈夫
- カスタマイズ可能なショートカットキーを6個とタッチバーを搭載
- タッチペンは充電が不要でストレスなく作業できる
HUION Kamvas Pro16の評価とレビュー
傾き検出±60°付きの高機能エントリーモデル
50,000円を切る価格でありながら、機能と性能が充実。エントリーモデルとして文句のつけようのない性能を持つ液タブです。傾き検知が±60°。ペンの向きに合わせて正確なイラストが描写できます。タッチペンは充電が不要。長時間集中して作業するときもストレスなく取り組むことができます。
92%の色域で思い通りの色見を再現可能です。また、フルラミネーションディスプレイとアンチグレアガラス搭載でとても快適な描き心地を実現しています。
カスタマイズ可能な6つのショートカットキーとタッチバーとで自由に機能を割り振ることができ、作業効率がアップします。初心者の方におすすめです。
第6位 HUION Kamvas Pro13
HUION Kamvas Pro13の仕様・製品情報
メーカー | HUION |
サイズ | 幅x高さx奥行=388×219×11mm |
重量 | 910g |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 15.6型フルHD液晶,フルラミネーションディスプレイ,アンチグレアガラス搭載、充電不要のタッチペン,傾き検出±60°,色域92% |
HUION Kamvas Pro13をおすすめする理由
- 傾き検出±60°で傾いていても大丈夫
- カスタマイズ可能なショットカットキー4個とタッチバー搭載で作業効率をアップ
- タッチペンは充電が不要でストレスなく作業できる
HUION Kamvas Pro13の評価とレビュー
軽量コンパクトな13型液晶のエントリーモデル
軽量かつ持ち運びのしやすいエントリーモデルの13型液タブ。傾き検出±60°でペンの傾きに合わせて表現を変えてくれます。8192の筆圧レベルが繊細なタッチを感知して豊かな描写を。Adobe 色域カバー率92%で思い描く色彩を自在に表現することを可能にしてくれます。
充電不要のタッチペンで長時間の作業もストレスなくこなせます。ショートカットキーは4つ。好みに合わせて自由にカスタマイズが可能です。13型なので作業スペースもコンパクトに収まる点など、最初の1台としておすすめですよ。
第7位 XP-Pen Artist 22E Pro
XP-Pen Artist 22E Proの仕様・製品情報
メーカー | XP-Pen |
サイズ | 幅x高さx奥行=567x30x326 mm |
重量 | 不明 |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 22型フルHD液晶ディスプレイ,色域82%,16個のカスタマイズ可能なエクスプレスキー搭載,反射防止コーティング, |
XP-Pen Artist 22E Proをおすすめする理由
- 22型フルHDディスプレイでダイナミックに作業ができる
- 色域も82%なので思いどおりのカラーリングが可能
- 16個のカスタマイズ可能なエクスプレスキーで作業効率アップ
XP-Pen Artist 22E Proの評価とレビュー
22型の大画面でダイナミックに作業が可能
22型の大型ディスプレイ搭載。「大きな画面をいっぱいに使って作業したい」という方におすすめ。漫画を描きたいという初心者の方にもおすすめの機種です。筆圧レベルは8192で、色域も82%なので繊細なタッチをしっかりと汲み取って思いのままの色彩で描けます。
バッテリーは充電式。フル充電すれば60日間継続して使用できます。液晶表面には反射防止コーティングが施され、くっきりとした色彩で美しく鮮明にイラストを描けますよ。
第8位 XP-Pen Artist16Pro
XP-Pen Artist16Proの仕様・製品情報
メーカー | XP-Pen |
サイズ | 幅x高さx奥行=405x30x255 mm |
重量 | 不明 |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 16型液晶ディスプレイ,色域92%,応答速度14ms,反射防止コーティング,8個のカスタマイズ可能なエクスプレスキー |
XP-Pen Artist16Proをおすすめする理由
- 応答速度は14msで素早い描写にもしっかりと反応
- Adobe色域カバー率が92%で思い通りのカラーリングを実現
- 8個のカスタマイズ可能なエクスプレスキーで作業効率をアップ
XP-Pen Artist16Proの評価とレビュー
スムーズかつ思い通りのイラストを描くためのエントリーモデル
価格は40,000円以下でありながら、機能性十分の16型液タブです。カスタマイズ可能なエクスプレスキー搭載で作業もはかどります。
応答速度は14msとレスポンスが速く、Adobe色域カバー率も92%。スムーズに線を描け、思い通りの色彩でイラストを描くことができます。エントリー機としてはもちろん、応答速度が速いので、素早いストロークで描写する方にもおすすめです。
第9位 Parblo Coast10 10.1インチ
Parblo Coast10 10.1インチの仕様・製品情報
メーカー | Parblo |
サイズ | 不明 |
重量 | 630g |
筆圧レベル | 2048レベル |
搭載機能 | 10.1インチ液晶ディスプレイ,反応速度16ms,バッテリーレスペンを採用 |
Parblo Coast10 10.1インチをおすすめする理由
- 20,000円を下回る価格設定
- 10.1型なのでスペースに困らずにイラストが楽しめる
- 充電不要のバッテリーフリーペンを採用
Parblo Coast10 10.1インチの評価とレビュー
趣味のイラストを楽しめるリーズナブルな液タブ
20,000円を下回る価格設定で購入できる液タブ。充電不要のバッテリーフリーペンを採用しているので、電池残量を心配する必要がありません。
筆圧レベルは2048と他機種と比較すると劣っていますが、趣味でイラストを楽しみ目的であれば十分なスペック。10.1型とコンパクトなので、小さなスペースでもイラストが楽しめます。
第10位 Wacom MobileStudio Pro16
Wacom MobileStudio Pro16の仕様・製品情報
メーカー | Wacom(ワコム) |
サイズ | 幅x高さx奥行=418x21x262 mm |
重量 | 2,100g |
筆圧レベル | 8192レベル |
搭載機能 | 15.6型ディスプレイ,Windows 10 Professional搭載,CPU:Intel Core i7,グラフィックス:NVIDIA Quadro P1000 |
Wacom MobileStudio Pro16をおすすめする理由
- Windows 10を搭載していてどんな場所でも作業が可能
- 増設や交換が可能なメモリとストレージ
- 描きやすい角度に調整可能(16°/30°/43°)なスタンド付属
Wacom MobileStudio Pro16の評価とレビュー
Windows 10を搭載したオールインワンモデル
Windows 10を搭載。どんな場所でも高性能なイラストを制作したい方におすすめのオールインワンモデルです。PCがなくとも単体で使用できるので場所を選びません。
メモリやストレージ(SSD)は増設が可能なので、拡張性も確保。最大3時間の充電で、連続して約5時間の稼働ができます。
まとめ
液タブは、アナログ感覚でデジタルイラストを気軽に楽しめる魅力的なツールです。まるで紙に絵を描くようにサラサラと思い通り。手元の液晶画面を使って自在に絵を描くことができます。
液タブがあれば、仕事でも趣味でもイラストを描くときの作業効率が格段にアップすること間違いなし。今回の記事を参考にして、ぜひベストな液タブをセレクトしてみてください!